健康ブームで広く認識されるようになったアンチエイジングの「エイジング」とは「高齢化」や「老化」を表す言葉じゃが、エイジング塗装とは、古びた感じ、風合いを意図的に演出する塗装方法の一種じゃ。
古びた風合いは、昭和初期の懐かしさや落ち着きを演出する効果があり、近年ではアパレルショップや幾つかの飲食店でもエイジング塗装が導入されるようになってきておる。
また、エンジング塗装はアーミーグッズやおもちゃ、バイク、自動車などの塗装にも人気のある塗装方法として広く知られておるのじゃよ。
【エイジング塗装の用途一覧】
★外壁・内装壁
★玄関扉・窓・窓枠
★看板(店舗物件など)
★床材・タイル
★ベンチ
★郵便ボックス
★アーミーグッズ(迷彩柄)
★おもちゃ
★自動車・バイク等
エイジング塗装に使用される塗料は、多種多様であり現在も新しい塗料の配合などが研究されております。
これは、塗料の配合割合や成分、再現性が異なる為です。
中でもエイジング塗装の代表的な演出方法とも言える「錆」の演出では、実際に鉄錆を発生させトップコートで被膜をつくる塗装方法が有名です。
鉄錆エイジング塗装のやり方は、幾つかの手法がありますが前述した代表的な手法としては「ポーターズペイント」の「リキッドアイアン」などで知られる鉄や銅などの微粉末を混合した塗料を使う方法があります。
塗装のやり方は塗料を施工面に塗り軽く乾燥させた後に「酸化剤」を塗布ししばらく乾燥させます。
塗料には鉄や銅の微粉末が含まれているため酸化剤が塗布された塗装面には徐々に錆が形成されエイジング塗装が完成するという仕組みです。
但し、このままでは錆が広がっていくため、錆を形成させた後にトップコート被膜を形成します。
実際に錆を形成するエイジング塗装では、本格的な演出が行える利点がありますが、経験が求められる技術力も必要となるため職人技能によっても完成度に差が生じる点を把握しておく必要があります。
簡易的な方法としては実際に錆を発生させずに水性塗料を用いてエイジング塗装を行うやり方もあります。
この手法では特殊ペイント塗料とスポンジ、絵筆などで塗装を重ね独自の錆の演出を行います。
DIYでも人気のある手法で経験を積むことで本物の錆に負けない古びたい風合いを演出する事も可能です。
エイジング塗装の方法はこの他にも様々な方法がありますが個々の好みによっても満足感が異なる為、完成された手法というものは存在しないと考えておくべきです。
エイジング塗装の一つの手法に、塗装面のひび割れや「クラック」を意図的に演出する方法があります。
古い建築物の外壁や家具、年数の経過した絵画などの表面を見ると、細かいクラックが生じていることはよくあることです。
このようなクラックを再現することで経年劣化した風合いを意図的に演出するのがエイジング塗装の狙いでもあります。
尚、エイジング塗装の塗料にはクラックを再現する為に配合された専用の特定塗料セットが販売されております。
クラックを演出するやり方は、収縮率の異なる塗料を重ね塗りし乾燥時に収縮率の差異で自然なひび割れを生じさせる方法が基本です。
リフォームといえば経年劣化した屋根や外壁、基礎、キッチンや浴室、トイレなどの水回りの設備を修理したり新しい設備に交換するイメージがあります。
しかし、近年はある程度の年数が経過している中古住宅を購入し、日本家屋の昔ながらの風合いを残したリフォームの人気が高まりつつあります。
リフォームでは既に腐敗している木材や建具は交換する必要があります。
しかし、このような住宅では一部だけ新品の製品を使うことは逆に違和感を生じかねません。
エイジング塗装は、最新の建築素材であっても技術があれば内装材でも木材でも昔ながらの風合いを再現することが可能です。
その為、エイジング塗装はリフォーム現場の可能性を広げるひとつの手法として更なる活用が期待されております。