防音材(防音材料)とは、建物や部屋の外部から室内に侵入してくる音や、室内から室外へ漏れでてしまう音を減少させる目的で設置する建築材料の一つじゃ。
幹線道路沿いのマンションや、線路、踏切の近くに建築されるマンションなどでは建物の外部から侵入してくる音の「防音対策」がどうしても不可欠じゃろう。
また、ピアノやギター、管楽器などの楽器や声楽を行っている方の場合は、室内の音が外部に漏れないように防音室を設置したり、室内の壁や天井など防音対策を必要とするケースもある。
更に、集合住宅に住んでいて子供が多い家庭などでは、子どもたちが走り回る振動が階下へ伝わることを気にされる方も多いじゃろう。
防音材はこのような、音環境に関わる問題を事前に軽減する目的として床や壁、天井などに設置されておるのじゃよ。
防音材を使用して防音対策を行う計画、設計を行う際は、まず音の性質を把握しておく必要があります。
一般的に音は壁や天井などの物体にぶつかると一部の音は反射し、また一部は吸収され、また一部は物体を透過し減衰します。
例えば室内で楽器を弾いていた場合、室外にいると音は小さく聞こえますが、ドアを開くと音は大きく聞こえます。
これは、ドアに反射、吸収され、透過して聞こえていた音が、そのまま聞こえるようになった為です。
小学校や中学校の音楽室の壁を思い出してみると、小さな穴の開いた壁で囲まれていたのではないでしょうか?
これらの壁に使用されている壁材は防音性を持つ防音材です。
また、簡易的な防音対策でも利用可能な「ウレタン吸音ボード」は「反響音対策」や「音場調整材」としてオーディオ音調や室内吸音などに使用できる「内装仕上吸音材」です。
ウレタン吸音ボードはDIY派の方に人気の防音材で、はさみやカッターで容易に加工できる特徴があります。
ウレタン吸音ボードはグラスウールを素材とする防音材と比較すると防音性能は低くなりますが、簡易的に設置が可能であり、かつ低コストであるというメリットがあります。
尚、物体を透過し減衰する量を「透過損失」と呼びます。
防音材の遮音性能は「JIS法」に規程される方法で計測される音響透過損失によって表示されており、この透過損失は防音材によって異なります。
居室の床の防音を設計する場合は、どの程度の遮音性を必要としているのかについて検討する必要があります。
下の階へ足音などの迷惑がかからないように防音対策を行う場合では、「防音マット」を敷く簡易的な対策だけでも十分であるケースもあります。
特にマンションなどの集合住宅で小さなお子様が居る家庭の場合は音の問題に神経質になりがちです。
その場合は、幼少期のみ市販の防音マットや防音カーペットを敷き詰め階下への音のトラブルを軽減することも検討できます。
防音マットは様々な構造の製品があり、厚みも選択できる製品が多くあります。
もし、不安がある場合は「遮音性能」だけでなく「吸音性能」も高い防音材を検討すると良いでしょう。
また、楽器を扱うことを前提とした居室そのものを防音室として計画する場合は「複合フローリング材」を使用するなど下地から対策を行うべきケースもあります。